みずうみ2023

暮らしの中で出会った言葉や考えの記録

山本太郎氏の国会「講義」

この国がどれだけ国民の意思を尊重していないか、ここ最近報じられた案件を幾つか見ただけでよく分かる。 国民の70%、20代は90%が賛成の同性婚や、国民の70%以上が賛成している夫婦別姓は、「議論が足りない」と何十年も認められないままなのに、降って湧…

どんどん流されていく小舟

このところ、政治について書くことがなかなかできなかった。 今のこの国の政治は、あまりに問題が多すぎて、一体どこから何を書けばいいのか、途方にくれるほど。 日替わりで不正や腐敗が次々と知らされ、とんでもないことが事後報告で知らされ、あるいは反…

先月の対話のこと

先月の対話でのことについて、やっと言葉が出て来たので、書き残しておく。 対話をはじめて半年足らず、なかなか慣れない。 慣れたら皆で和気あいあいと安心して話せる場がわりと簡単に作れるようになるんだろうか。 でも、今はやるほどに難しさを感じること…

「口の立つやつが勝つってことでいいのか」

頭木弘樹著/青土社/2024年 このタイトル、まさに自分が常日頃から思っていたことだったので、わっ読みたーい、と思ってすぐに入手した。平易で読みやすい本で、あっという間に読める。 内向的でずっと家にいて、腑に落ちるまでしつこく考え続ける癖を持つ…

「三体」「オッペンハイマー」

2023年イギリス・アメリカ・中国/原題:3 Body Problem/製作:デビッド・ベニオフ、 D・B・ワイス、アレクサンダー・ウー/1シーズン全8話各話45〜60分・2024年3月21日〜Netflix 配信 2023年アメリカ/原題:Oppenheimer/監督:クリストファー・ノーラン…

「パスト ライブス/再会」

2023年アメリカ・韓国合作/原題:Past Lives/監督:セリーヌ・ソン/106分/2024年4月5日〜日本公開 こういうしみじみとした美しい余韻を残すラブストーリーを最近ではほとんど見なくなった。 丁寧に丁寧に人物の心情を描き、日常の中にあるさりげない美や…

甘えってなんだ

我が家の娘氏が、ブラックだった前の職場を辞めて、近所のパン屋で働き始めてもうすぐ半年になる。 パン屋さんて、いつもお店の前がいい匂いがして、香ばしいパンたちを丁寧に扱って、笑顔でお客さんと挨拶を交わして、っていう素敵ワールドを漠然と想像する…

慌ただしい

先週から新しいサイクルに入り、急に忙しくなっている。 久しぶりにゆったりした気持ちでPCの前に座っている雨の月曜日だ。 新たな人たちと関わるようになったり、知人との深く真摯なやり取りがあったり、親族が亡くなったり。 その上、末っ子は春野菜の苗み…

美容院へ

今日は午後から美容院。 はあもうやっと、このひどい状態から脱せられるよ、とほっとする。 美容師さんがひと月近くインドへリトリートに行っていたので、帰国後予約がぎゅうぎゅうで、ずっと行けていなかった。 髪がどうしようもない状態だと、無性に気分が…

「ボーはおそれている」

2023年アメリカ/原題:Beau Is Afraid/監督:アリ・アスター/179分/2024年2月16日〜日本公開 パンデミックで映画館が長期閉館してしまう直前の映画館で見たのがアリ・アスターの「ミッドサマー」だった。 作品からは大いに刺激を受けたものの、超!後味…

「落下の解剖学」を見て考えたこと

2023年フランス/原題:Anatomy of a Fall/監督:ジュスティーヌ・トリエ/152分/2023年2月23日〜日本公開 いつも通りほぼ予備知識ゼロで見に行ったのだけど、何も知らなかったからこそ夫婦で見られたよねーと思うくらい、夫婦の怖い話であった。 でも、結…

「オアシス」

2004年韓国 / 原題:오아시스(OASIS) / 監督:イ・チャンドン / 133分 わたしたちは、程度の差こそあれ、誰もが属する社会やコミュニティーに即した倫理観や人間観を内面化している。 それなしには、社会に適応し、社会の一員としての権利を享受するこ…

「謎のやな感じ」について考える

朝、玄関のドアを開けたらいちめん春の空気。 朝の眩しい光を浴びたら、柔らかく緩んだ。 寝坊したので、今朝のお祈りは手早く。 息子が昨日音楽院の試験だったから、そのことを強めに祈った。 お隣さんによると明日からまた冷え込むらしい。 気候がどうもお…

「瞳をとじて」

2023年スペイン/原題:Cerrar los ojos/監督:ビクトル・エリセ/169分/2024年2月9日〜日本公開 人生の折り返し地点を過ぎた人にぜひ見てほしい作品。 長いしとても地味だけれど、しみじみと味わい深い。 主人公ミゲルは、何十年かぶりに謎のままに過去に…

人はひとりでは生きられない

毎日のように17歳の娘氏から議論をふっかけられている。 最近、あ、なんか話が面白くなりそうだなーと思った時は、ボイスレコーダーのボタンをぽちっと押す。 でも大抵は録ったきりで、どんどん溜まっていってしまっているのだけど(夕飯作りながら1時間喋っ…

お祈りの習慣

昨日からの雪は、夜半に雨に変わったが、今朝もたくさん溶け残り、霧雨も降って底冷えがする。 それでも、いっぱい着込んで熱い白湯を入れたマグを片手に、暗いなか早朝のお散歩はした。 新鮮な空気を吸い込んで、小さなお祈りをしながら近所をひと歩きする…

「ペトルーニャに祝福を」

毎年のことながら、確定申告が完了するまでは、経理のことがずっと頭の上にずーんと灰色の雲みたいにのしかかっている日々である。 ブログも当分は断片的で短いものになると思う。 お金の計算をすることが苦にならないように慣れるようにとあれこれ工夫して…

「哀れなるものたち」

昨年末から年始にかけては近場の映画館では観たい作品がほとんどなかったけれど、これからしばらくは期待作がめじろ押しで嬉しいー。 一番の楽しみは、2/23公開の「落下の解剖学」と「哀れなるものたち」。 2023年イギリス/原題:Poor Things/監督:ヨルゴ…

往復書簡はじめました

写真家の長島有里枝さんは、去年出会った中で、最も好きな書き手のひとりだ。 以前からもちろん名前やあの有名な家族ヌードの写真は知っていたし、テレビや雑誌のインタビューを見かけたことはあったけれど、これまで文章は読んだことがなかった。 長島有里…

ただ違うだけ

殊更に冷え込む日。 ヨガのレッスンに行くのが億劫だけど、ほんの数日身体を動かさないと、体に滞りを感じるから、気力を振り絞って行こうと思う。 「スポーツや身体を動かす系のことは、何かこれとひとつ決めて、それを気長に細く長く続けていくのが健やか…

灰色の天然

最近、近所のパン屋さんで働いている娘氏が、バイト先の職人のオーナー夫妻に何か分からないことを尋ねるなどすると、たびたび「イラっとするような、引くようなリアクション」をされて、だんだん萎縮してしまうようになった、としょんぼり話すようになった…

「老後とピアノ」

週末は、いつものように風邪気味鼻水だーだーの末っ子に沿ったシフト。 連日屋内施設で遊ばせる三連休だった。 最近ではもうさすがに、この子はどっちかというと身体の弱い子なんだという構えでやっていくということなのだなと観念している。 とことん振り回…

何が起きようとも何も起きていない国

震度7の地震が起こってから6日が経って、改めて言葉を失っている。 この国の劣化に。 13年前に起こった東日本大震災を教訓に生かせていないとかいうレベルの話ではない。 政治、行政機能、経済、社会のインフラ、メディア環境、そして人心。 13年前よりも、…

「本が語ること、語らせること」「その道の向こうに」

「本が語ること、語らせること」 青木海青子著/2022年/夕書房 「その道の向こうに」 2022年アメリカ/原題:Causeway/監督:リラ・ノイゲバウアー/94分 今年は、気持ちを静かに保ち、ささやかなヴォイスに耳を澄ませる一年にしたい。 大声や威圧や想像力…

YOASOBIの紅白のステージを見て思ったこと

紅白をリアルタイムでは見なかったんだけど、いくつかのステージを遅ればせながら見た。 どのアーティストにもさすがの気合いを感じつつ、YOASOBIの完璧に作り込まれたステージが圧倒的だった。 これがトリでないなんて、なんともったいない。 今、この時代…

「料理と利他」「家事か地獄か」

年末年始は、認知症の義父にとって不安が増幅する期間だ。 彼がいつもランチに通っている近所の地域の人々でやっている食堂(兼居場所)が長期休暇になるし、生協の夕食の配食サービスも数日間はお休みになる。 彼の住む鎌倉の山上は、ハイキングコースなど…

なんという幕開け

昨日は、義実家にてお正月の集まり。 おせちとお雑煮を食べてから、みんなで神社にお参りに行った。 夫の弟のパートナーさんと、楽しく喋れたのが嬉しかったな。 いつも来るか来ないか五分五分だから。 なんか、喋りたそうな感じでずずずっと寄ってきてくれ…

さよなら2023

2023年ももうおしまい。 3歳児の世話が最優先ゆえ、大掃除もせず、ほぼ日常通りに過ごしている。 朝、何品か、おせち料理を仕込んだ。 今年は、いいことも悪いことも想定外のこともさまざまある一年だった。 相変わらず、時間があれば映画を見て本を読んで、…

失敗から学ぶ

昨日は娘氏のやっている居場所で、年末企画として対話の場を開いたが、あまりに進行が下手すぎて、終わった後はしょんぼり自己嫌悪に陥ってしまった。 やってみたいんですよね、というつぶやきから、「じゃあ、やりましょう!」と突然引っ張り上げてもらって…

きぼうのまち

ほうぼく(抱樸)の「きぼうのまちプロジェクト」のクラウドファンディングがあと6日になった。 抱樸 活動35年"ひとりにしない"支援の集大成「希望のまち」(認定NPO法人抱樸ーほうぼく 2023/10/04 公開) - クラウドファンディング READYFOR 3億円目標で、…