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全11巻/2017年〜2023年/ヤマシタトモコ著/祥伝社 前回の文章は、最近読んだこの作品のことを思い浮かべながら書いた。 今の世界での主流の物語は、経済合理性を背景とした、この社会の価値観を強化するような物語だ。 強く、美しく、賢く、若々しく、才能…
スマホ離れは、たまにうっかり見過ぎた、という時もあるけれど、まあ順調に続いている。 本を読む時間がぐっと増えて楽しい。 図書館にいく機会も増えたし、通りがかりに本屋やブックオフがあったら寄り道をするようになった。 とはいえ、スマホをはじめとし…
低調な心身におうかがいをたてるようにして、そろりそろりと過ごしている日曜日。 今朝の海 風も波もなし 人に会うことに全く気が進まないけれど、昨夜は義父の誕生日だったので、夫氏と末っ子と共に義実家を訪れた。 ずっと食欲もないが、昨日はホールケー…
若い時に自分には到底無理と思われていたことが、いつの間にか苦もなく自然にできるようになっていた、ということに気付くことが最近何度かあって、そのたびにふつふつと嬉しく感じている。 何かが技術的に上達したというよりは(それもゼロではないけれど)…
「Everything Everywhere All at Once」という愛すべき素っ頓狂な映画の中で、キー・ホイ・クワン演じる主人公の夫の決め台詞は、「Please be kind.」だった。 そんな陳腐な言葉がクライマックスの決め台詞として人々の心を打つほどには、今の世界は親切心を…
昨日は酷暑の中、里芋畑の畝間除草。汗だく埃まみれ。 野菜の収量が減り、手が回らなくて放置されていた畑の管理作業がやっとできるタイミングだということも分かるけれど、なにもこんな炎天下にやらなくても、と同僚はぷんぷん怒っている。 私は「ほんとで…
久々に見た「ダンサー・イン・ザ・ダーク」、やっぱり最高だった・・・。 内容を知っているからもうちょっと客観的に見るのかと思っていたが、初めて見た時のように、じりじりし、はらはらし、絶望感に翻弄されながら酔うように没頭した。 この作品には、そ…
2025年/金原ひとみ著/文藝春秋社 ここ数日は、ぐっと入り込むようにして金原ひとみの新刊「ヤブノナカ」を読んでいた。 読み終わってしばらくはぐったりしてしまったほど、濃密できつい作品だった。 彼女の世界に対する眼差しは私にはいささかダーク過ぎて…
金曜日を最後に年内の保育園も終わって、同じ日に農園バイトも仕事納め。 家族全員体調もまずまずで、年の最後は平和な気持ちで年越しを迎えられそう。 数日前から落ち着いた気持ちでこつこつと好きなおかずだけのおせち料理を作っているのも楽しい。 今年も…
傍らで眠る末っ子がむずがって、しばらく不快そうな声を出しながらベッドの上をごろごろとのたうち回りはじめた。 さすったり、扇風機の風を当てたり、声をかけたりしてなだめていたら、末っ子はほどなく眠ったが、自分が眠れなくなった。 ベッドサイドのラ…
2018年/ヨシタケシンスケ著/PHP研究所 ここ半月、末っ子に毎晩のようにこの本の読み聞かせをせがまれている。 不思議と何度読んでも退屈しない。 とぼけた「間」が妙に心地良い。しっくりくる。 可愛らしいだけじゃなくなかなか味わい深い絵本だと思う。 …
都知事選が終わった。 私が応援する候補っていつも落選するので、この感じも正直なところ慣れている。はぁ。 ただ、同じタイミングでイギリスで政権交代が起こり、フランスでも市民の草の根運動の結果、極右政権の誕生を阻止したということがあっただけに、…
2024年/ピーター・ボゴジアン、ジェームズ・リンゼイ著/晶文社 「私たちの時代が示している最も痛ましいーーそして危険なーー兆候のひとつとは、まっとうな理由をもって私たちの見解に反対しうるような人など誰もいない、と考える様な個人なり集団が増えて…
2022年/永井みみ著/集英社 ここ数日の夜更け、布団に寝転がりながら読み進め、最後は鳥肌を立てながら一気に読んだ。 まだたまらない気持ちを引きずっている。 もう10年近く前になるけれど、友達が経営するNPOのデイサービスで、食事作りの仕事を数年間や…
頭木弘樹著/青土社/2024年 このタイトル、まさに自分が常日頃から思っていたことだったので、わっ読みたーい、と思ってすぐに入手した。平易で読みやすい本で、あっという間に読める。 内向的でずっと家にいて、腑に落ちるまでしつこく考え続ける癖を持つ…
写真家の長島有里枝さんは、去年出会った中で、最も好きな書き手のひとりだ。 以前からもちろん名前やあの有名な家族ヌードの写真は知っていたし、テレビや雑誌のインタビューを見かけたことはあったけれど、これまで文章は読んだことがなかった。 長島有里…
週末は、いつものように風邪気味鼻水だーだーの末っ子に沿ったシフト。 連日屋内施設で遊ばせる三連休だった。 最近ではもうさすがに、この子はどっちかというと身体の弱い子なんだという構えでやっていくということなのだなと観念している。 とことん振り回…
「本が語ること、語らせること」 青木海青子著/2022年/夕書房 「その道の向こうに」 2022年アメリカ/原題:Causeway/監督:リラ・ノイゲバウアー/94分 今年は、気持ちを静かに保ち、ささやかなヴォイスに耳を澄ませる一年にしたい。 大声や威圧や想像力…
年末年始は、認知症の義父にとって不安が増幅する期間だ。 彼がいつもランチに通っている近所の地域の人々でやっている食堂(兼居場所)が長期休暇になるし、生協の夕食の配食サービスも数日間はお休みになる。 彼の住む鎌倉の山上は、ハイキングコースなど…
月曜日。 12月に入った。 季節感が乏しくなって久しいけれど、妙な慌ただしさだけはあり、これからの1ヶ月は、駆け抜けるみたいに過ぎていくのだろうな。 今朝は、雲が厚いからか、世界が不穏だからなのか、低空飛行の飛行機の音がとてもうるさい。 部屋の窓…
今週は珍しく毎日誰かと約束してるみたいな、人と関わることの多い一週間だった。 こんな時に限って、普段連絡のない関西の親友から母校の学祭に行ったよーと大量の画像が届いたり、10年ぶりの知人にイベント会場でばったり再会したりもするのである。 私の…
このところ、朝起きるのは毎日4時台。まだ外は暗い。 よく起き抜けに近所を寝巻きのままふらっと一周歩くのだけど、今朝は家の外の通りに出たら、まだ明るさを残した大きな満月が低い位置にあり、正面から目が合った。 寒いし、さすがに早すぎたかなと思いな…
ここ数日、暑い中にも空気に秋の気配が混じるようになっている。 夕方になると、蝉だけでなく、鈴のような秋の虫の声がするようになった。 日中はもくもくと入道雲が立ち上っているのだけど、夕暮れ時は空も涼しげでうっとりと緩む。 後ろの座席に末っ子を乗…
2019年春秋社/信田さよ子著 この本には、私が長年知りたかった幾つもの疑問の答えが、ストレートに分かりやすく書かれている。 それは、主にジェンダーや性犯罪にまつわる疑問。 重苦しい、読むのが辛い内容が多く含まれるも、長年の胸のつかえが取れるよう…
100分de名著の「ショック・ドクトリン」の第4回(最終回)が昨夜放送だった。 タイトルに「日本、そして民衆のショック・ドクトリン」と銘打たれていたので、おおーNHKの地上波でどこまで言及できるんだろう、と興味深く見た。 日本がショック・ドクトリンを…
今朝は強い雨音で目が覚めた。 終日雨予報だから、末っ子を運動させるために車で近所のモールへ。 本屋さんの正面に村上春樹の新作「街とその不確かな壁」がだーっと平積みしてあった。 村上春樹著/新潮社/2023年 厚いシュリンクをしてある一冊を手に取り…
ヨハン・ハリ著/作品社/2021年 「麻薬と人間」読了。 スマホを手にして以来、読書体力がすっかり落ちてしまった自分にはもうこんな分厚い本は読み通せないかも、と思いつつ手に取ったが、あまりにすごい内容で、昼間は前日に読んだ部分をつらつら考え、早…
まだまだ「イニシェリン島の精霊」のことを何かっちゅうと考えては話している。 やはり私はパードリック+ドミニク味が強めで、夫氏はコルム味が強めなんだろうなあと話していて感じる。 夫婦間には永遠のすれ違いが横たわっている。 なんとかやれるところま…
鈴木大介著/講談社/2023年 「脳が壊れた」や「発達系女子とモラハラ男」の鈴木大介さんの新作。 今回も鈴木さんでしかない一冊だと思った。 それは、鈴木さんは何を書いても、犯人探しに終わるのではなくて、結局自分自身を省みることに行き着く、「Man In…
「疲れたー、落ち込んだー、って一回止まると、そこからもう一度やる気を出してえいやって起き上がるのが一番難しい」と、娘氏が言う。 「部活のシャトルランで、がーっと走って一旦止まったら最後、もう二度と気力が湧いてこなくて走り出せないみたいな」 …