みずうみ2023

暮らしの中で出会った言葉や考えの記録

jender

「バービー」

早朝、娘氏は奥会津へ向かった。これから5日間サマースクールに参加する。 事前に読み込まねばならぬ課題図書に手こずっていたが、なんとか課題提出に間に合ったよう。 学びを授けてくれるのは、哲学者、山伏、文化人類学者、禅僧といった人々。 学びたいと…

「ハートストッパー」

2022年〜イギリス/原題:HEARTSTOPPER /原作・脚本:アリス・オズマン/監督:ユーロス・リン/2シーズン16エピソード各話約30分 娘氏が可愛いオバケみたいなゆるキャラぽいイラストの見慣れないTシャツを着ていた。 かわいいと褒めたら、そのオバケが片手…

性暴力についての覚書き⑦(なぜ性暴力はこれほど人を深く損なうのか)

長々書いてきたが、これで最後。 【なぜ性暴力は被害者にとって過酷なのか】 性行為は、互いに愛情があるのがもちろん望ましいが、互いの了解が一致していれば(そして必要に応じて正しく避妊していれば)、生き物としてごく自然な、日常的なスキンシップで…

性暴力についての覚書き⑥(なぜマジョリティはマイノリティを疎むのか)

ジャニー喜多川氏の性加害問題が巷で取り沙汰されてもう長い。被害を訴える7人が「ジャニーズ性加害問題当事者の会」を結成し、国連人権理事会の「ビジネスと人権」作業部会はこの7・8月での訪日を発表。聞き取り調査を行うそうだ。日本の、一芸能事務所の問…

性暴力についての覚書き⑤(性に対する偏見について)

既に日本中が知っている事をわざわざ世界に知らしめる必要があろうか。これが、旧ユーゴスラヴィアのセルビアやウクライナに侵攻したロシア兵による、非情な強姦致死であるとか、ミャンマーのロヒンギャ、チベット・ウイグルの女性が国軍に凌辱・強姦、乱暴…

性暴力についての覚書き④(家父長制下の性虐待、グルーミング)

その才能を見出し、育て、スターにしてくれたジャニー氏に対して、恩を仇で返すとはこのことではないか。 ジャニー氏は半世紀に渡って日本の芸能界を牽引し、スターを育て、その非凡な才覚で何億何千万という人々を楽しませ、夢中にさせてきた。昨今の流れは…

性暴力についての覚書き③(「責任を取る」とは)

代わってジュリー氏が謝罪も済ませているのに、これ以上何を望むのか。 【責任を取るとはどういうことか?】 そもそも、日本の性暴力・DV被害者の支援の方法は「間違っている」。 アメリカ、カナダをはじめとした国々での一連の基本対応は、まず加害者を逮捕…

性暴力についての覚書き②(支配とは何か、刑法改正)

本当に嫌な思いをしたのなら、その時なぜすぐに訴えない。 【支配とは何か】 性暴力被害者に「どうして抵抗や反論をしなかったのか?」「どうしてもっと早く逃げなかったのか?」と問う人がいる。 実際、刑法でも性暴力の立証条件に「抗拒不能」(加害者の暴…

性暴力についての覚書き①(社会構造が支える性暴力、若年者への性虐待の特徴)

物議を醸している一連のデヴィ夫人の発言。 一読してまともに言及する価値もないとは思う。ただ、彼女の意見があまりにも定型的な無知と偏見を露呈していること、構造的な差別意識を助長するロジックなので、この言説への反論はそのまま、「性なる家族」の復…

「〈性〉なる家族」

2019年春秋社/信田さよ子著 この本には、私が長年知りたかった幾つもの疑問の答えが、ストレートに分かりやすく書かれている。 それは、主にジェンダーや性犯罪にまつわる疑問。 重苦しい、読むのが辛い内容が多く含まれるも、長年の胸のつかえが取れるよう…

「ウーマン・トーキング」

2022年アメリカ/原題:Women Talking/監督:サラ・ポーリー/105分/2023年6月5日〜日本公開 エンドクレジットが終わって劇場が明るくなっても、なかなか立ち上がることができなかった。 ぼーっとして体にうまく力が入らず、体が重力に逆らえず、しばらく…

「波紋」

2023年/監督・脚本:荻上直子/120分/2023年5月26日〜公開 荻上直子監督は、小ぎれいでほんわかした雑貨のような映画を作る人という印象があって、けして悪くはないんだけどなんかしゃらくせえと思ってきた。 一時期の長いブランク(その間にはニューヨー…

〈主婦〉の学校

2020年アイスランド/原題:The School of Housewives/監督:ステファニア・トルス/78分 人によって色々だろうが、少なくとも私は「主婦」という言葉に、あまりポジティブな響きを感じられない。 「平凡な」「しがない」「一介の」といった、リスペクトに…

「She Said シー・セッド その名を暴け」

2022年アメリカ/原題:She Said/監督:マリア・シュラーダー/129分/2023年1月13日〜日本公開 監督はあの素晴らしい「アンオーソドックス」のマリア・シュラーダー。 「アンオーソドックス」で彼女は、NYのハシディック社会で生きる女性たちの袋小路みた…