みずうみ2023

暮らしの中でふと心が動いたことについて書いています

movie

「帰ってきたヒトラー」

2015年ドイツ/原題:Er ist wieder da/監督:デヴィッド・ベンド/116分 末っ子に続いて、夫氏も寝込んでしまった。私の予定は全キャンセル。 1/30から2/12まで、YouTubeで全編無料公開されているので、合間に見た。 軽いコメディタッチがベースの作品で、…

「エディントンへようこそ」

2025年アメリカ/原題:Eddington/監督:アリ・アスター/148分/2025年12月12日〜日本公開 2025年を締めくくるのは、アリ・アスターの新作。 万人受けする作家ではないのだろうけれど、やっぱりアリ・アスターは私には感覚的にすごくしっくりくる。 彼の描…

「ジェイ・ケリー」

2025年アメリカ/原題:Jay Kelly/監督:ノア・バームバック/131分/2025年11月21日〜劇場公開、同12月5日〜Netflix配信 依存症研究者で精神科医であるガボール・マテは、トラウマについて、次のように指摘をしている。 (トラウマ:心に深く残るつらい体…

「アフター・ザ・ハント」

2025年イタリア・アメリカ/原題:After the Hunt/監督:ルカ・グァダニーノ/139分/2025年11月20日〜Amazon Prime配信 2025年に見た中で、最も好きな作品のひとつになった。 人間の業と人間の複雑さに迫っていて、あらゆる箇所にサインが散りばめられて、…

「平場の月」

2025年/監督:土井裕泰/117分/2025年11月14日〜 歳を取るって、どうしたってせつないことだ。 身体のどこかしらに痛みや不具合を抱え、命をおびやかす病気の予兆に時折怯えつつ、それも仕方ないことと受け止めやり過ごしながら、よれよれと日々を生きてい…

「リアル・ペイン 心の旅」

2024年アメリカ/原題:A real pain/監督・脚本:ジェシー・アイゼンバーグ/90分 今のハリウッドではなかなか見られなくなってしまった、地味だけど心の機微を丁寧に描いたロードムービー。 ポーランドが舞台になっていることもあり、全編を通してサウンド…

「ワン・バトル・アフター・アナザー」

2025年アメリカ/原題:One battle after another/監督:ポール・トーマス・アンダーソン/165分/2025年10月3日〜日本公開 とっても楽しみに待ち焦がれていたPTAの新作。 結果、「マグノリア」はやっぱり不動の1位のままだけれど、でも本作も相当好き。 王…

「遠い山なみの光」

2025年日本・イギリス・ポーランド合作/監督:石川慶/123分/2025年9月5日〜公開 夏休み期間中はひとつも見たい作品のなかった近所のシネコンで、9月に入ってまず見たかったのがこの作品。 それにしても洗練された撮影が際立つ作品だっただけに、どうして…

「私たちが光と想うすべて」

2024年フランス・インド・オランダ・ルクセンブルク合作/原題:All We Imagine as Light/監督:パヤル・カパーリヤー/118分/2025年7月25日〜日本公開 冒頭、電車の車窓越しに流れるムンバイの夜景の撮影が素晴らしく、いきなり心を掴まれてしまった。 イ…

幸せなサイクル、「さみしくてごめん」「Flow」

昨日は酷暑の中、里芋畑の畝間除草。汗だく埃まみれ。 野菜の収量が減り、手が回らなくて放置されていた畑の管理作業がやっとできるタイミングだということも分かるけれど、なにもこんな炎天下にやらなくても、と同僚はぷんぷん怒っている。 私は「ほんとで…

「ルノワール」

2025年日本・フランス・シンガポール・フィリピン合作/監督:早川千絵/122分/2025年6月20日〜公開 映画館のスクリーンでもう一度見ておかないと後悔するような気がして、公開終了直前、二度目の鑑賞に行ってきた。 近所のシネコンではもうレイトショーし…

「Mommy」

2014年カナダ/原題:Mommy/監督:グザヴィエ・ドラン/134分 東京でのリバイバル上映が、タイムテーブルの関係で行けなかったので、遅れて横浜で今やっていることを知り、いそいそと行ってきた。 久々に行った、黄金町にあるインディペンデント系の映画館…

「ぼくが生きてる、二つの世界」

2024年/監督:呉美保/105分 主人公の青年はいわゆるコーダ(聞こえない・聞こえにくい親の下に生まれた自身は聞こえる子供のこと)。 そのことから生じる不便や苦労や痛みはあるけれど、誰もが何かしら特定の条件を持った親のもとに生まれ、不完全な家庭で…

「サブスタンス」

2024年イギリス・フランス合作/原題:The Substance/監督:コラリー・ファルジャ/142分/2025年5月16日〜日本公開 すっごくグロいと聞いていたのでちょっと怖気づいて迷っていたのだけど、ここ数日のくさくさする気分から逃げ出したくって、えいやっとひ…

乖離について

久々に見た「ダンサー・イン・ザ・ダーク」、やっぱり最高だった・・・。 内容を知っているからもうちょっと客観的に見るのかと思っていたが、初めて見た時のように、じりじりし、はらはらし、絶望感に翻弄されながら酔うように没頭した。 この作品には、そ…

GWは映画の日々

ここ最近の映画館は期待外れ続きで、がっくりしていたところに、立て続けに嬉しいニュース。 マイオールタイムベスト10映画が2本と、いつか映画館で見るリスト上位作品が、このGWにまとめてリバイバル上映されるらしい。 ひとり地味に喜びを噛み締め中。 普…

「アノーラ」

2024年アメリカ/原題:Anora/監督・脚本・編集:ショーン・ベイカー/139分/2025年2月28日〜日本公開 「プリティ・ウーマン」が1990年。 裕福な男性とセックスワーカーの女性を描いた物語は、30年余りでこれほどまでに違った描かれ方になる。時代は変わっ…

「1ST KISS ファーストキス」

2025年/監督:塚原あゆ子/124分/2025年2月7日〜公開 いわゆるタイムリープものと余命ものと聞くとちょっと警戒する。特に邦画。 そのコンセプトにいささか頼りすぎじゃないかと感じるし、この舞台設定でもってインパクトや感動を比較的簡単に実現しようっ…

「アプレンティス ドナルド・トランプの創り方」

2024年アメリカ/原題:The Apprentice/監督:アリ・アッバシ/123分/2025年1月17日〜日本公開 「下品な島の猿の話を知ってますか?」と僕は綿谷ノボルに向かって言った。 綿谷ノボルは興味なさそうに首を振った。「知らないね」 「どこかずっと遠くに、下…

「劇映画 孤独のグルメ」

2025年/監督・脚本:松重豊/110分/公開2025年1月10日〜 正直に言うと「孤独のグルメ」、もうお腹いっぱいというか、随分たくさん作られてきたものをそれなりに楽しく見たし、しばらく忘れていたくらいだった。 けれど、昨年末にこの対談動画を偶然見て、…

「I Like Movies アイ・ライク・ムービーズ」

2022年カナダ/原題:I Like Movies/監督:チャンドラー・レヴァック/99分/2024年12月27日〜日本公開 長編第一作のカナダの監督の自伝的作品。 思春期をめいっぱいこじらせている映画おたく高校生、ローレンス。 見ていて赤面し、ぎゃーと悶えてしまうの…

正月早々

昨日は横浜の動物園に。インドア派&混雑ぎらいの我が家では大変珍しいこと。 久々のお出かけということもあり、みんな機嫌良く晴れた寒空の下をぐんぐんと歩き回り、いろんな動物をしげしげと眺めつつ過ごした。 印象に残った動物。 ヤブイヌ。リカオン。チ…

「まる」

2024年/監督:荻上直子/117分 落書きが突然アート作品としてバズって、嵐のような毀誉褒貶に巻き込まれる男の話。 今の世界では、誰かが絶え間なく「これには価値がある」「これは無価値」というジャッシを繰り返している。 誰よりも権威のある誰か、誰よ…

「シビル・ウォー アメリカ最後の日」

2024年アメリカ/原題:Civil War/監督:アレックス・ガーランド/106分/2024年10月4日〜日本公開 「もし今アメリカが2つに分断され、内戦が起きたら」というコピーの印象から、今のアメリカの分断がどこまでも深まっていき、ついに内戦に発展する、という…

「ルックバック」

2024年/監督・脚本:押山清高/58分/2024年6月28日〜 ロングランになっているこの作品を、ようやく見た。 あっぶなかったー、これを見逃すところだったとは。 たった58分とは全く思えないほど、濃密で至福の時間だった。 冒頭から心奪われ、最後まで逸らさ…

「憐れみの3章」

2024年アメリカ・イギリス合作/原題:Kinds of Kindness/監督:ヨルゴス・ランティモス/165分/2024年9月27日〜日本公開 ヨルゴス・ランティモスらしい異様さや不条理、気まずいユーモアに満ちた作品。 ただ、難解なのかと言われたら、そうではないと私は…

「枯れ葉」

2023年フィンランド・ドイツ合作/原題:Kuolleet lehdet/監督:アキ・カウリスマキ/81分 「虎に翼」の半年間が晴れやかに終わったなあ、と思いながらのカウリスマキ。 安定のカウリスマキ節。 なんの新しいこともない。それがいい。 無表情で棒読みの名も…

「ぼくのお日さま」

2024年/監督:奥山大史/90分/公開2024年9月13日〜 近年見た映画のどの作品ともこの作品は違う味わいを残した。 普段心の奥深くに注意深くしまい込まれているとても脆弱で柔らかな部分に、この映画はそっと遠慮がちに触れてくる。 深々とした溜め息が出て…

「おしっこちょっぴりもれたろう」、「ホールドオーバーズ」

2018年/ヨシタケシンスケ著/PHP研究所 ここ半月、末っ子に毎晩のようにこの本の読み聞かせをせがまれている。 不思議と何度読んでも退屈しない。 とぼけた「間」が妙に心地良い。しっくりくる。 可愛らしいだけじゃなくなかなか味わい深い絵本だと思う。 …

「ワンダーウォール」

2018年/監督:前田悠希/脚本:渡辺あや/68分 以前から見たかった渡辺あや氏の手による、NHK京都のローカルドラマの劇場版が、Amazonプライムで配信されていた。 6年前の作品だけれど、私たちが生きる今の社会の空気感が横溢していて、なんとも言えない気…