4年に一度の統一地方選挙が案の定盛り上がらないままに終わって、結果を見ながら色々思いを巡らせている。
目を覆いたくなるような結果の大阪を筆頭に、ますます民主主義が後退する事態が進行している事実に暗澹としながらも、杉並のように心から応援したい運動が立ち上がっている場所の出現に小さな希望も感じている。
例によって、全国ニュースベースではほぼ報じられていない。
もう、今の主要メディアは、市民をエンパワメントするような情報は忌避していると思われる。人々の無力感の上に現政権があるから。
だから杉並のことは黙殺されているんだけど、でもこれってなにげにすごい快挙だと思う。
昨年、たった187票差という僅差で当選した、岸本聡子区長が「地域主権」を掲げて臨んだ今回の選挙の結果は目覚ましいものだった。
岸本区長は普段から行政課題をテーマに市民と頻繁に対話しているのに加え、選挙期間中は毎日街角に立って投票を呼びかけ続けた。
候補者全員の主要行政課題への返答が横断的にまとまっていて、自分と考え方の合う候補を絞り込み検索の要領で簡単に見つけることができる、杉並区議選ドラフト会議という特設ウェブサイトもとても良い取り組みだったと思う。
今回の杉並区議選は、48人の定数に対して69人もの立候補があり、女性の立候補率が全国1位だったこと自体、昨年来の岸本区政の一つの結果だったと思う。
結果は、どうなったか。
4ポイントの投票率アップ(約2万人増)。
自民党田中前区長派の現職与党議員の大半が落選。新人12人が当選。
2017年時点では区民の意思を無視して強引に進められていた高円寺の再開発マターは、反対意見の議員ほぼ全員が当選。
定数の半数以上が女性になり、なんといきなりパリテが実現してしまった。
変えられるんだ、という希望を感じた。
私の街は、残念グループ。
投票率は30%台で、女性は定数28に対してたったの8人で、過半数が自公維だった。
でも、これからも諦めずできることをやって行こうと思う。
そして、「こういう社会がいいな」という具体的なイメージを日々考えていくことが結構大事だと思う。
こんな人が地域のリーダーって、いいなあ
全体としては、今回の結果をうけて、れいわ新選組以外の主要野党がまともな選択肢として成立していないという現状には怒りを感じている。
維新はいろんな意味で自民党。構成メンバーが確信犯で悪質すぎ、輩レベルなので本当に危険だと思っている。
国民民主は初めからそのうち権力側に寝返るのだろうなーと思っていたが予想通り。
共産党には、大事な活動をされてる人がたくさんいると思っている。でも、党首選挙を提案した党員を排除して、長期独裁に対する異論をあっさり封殺してしまった。そういう組織が政権を握ったら、それはやはり独裁容認になるってこと。そんな未来は嫌だ。
一番ひどいのは、やはり立憲民主党。維新に擦り寄るなど目を疑うような判断の連続で、結党当時に期待したことを後悔するレベル。
間違った判断を繰り返して惨々たる結果の原因を作った泉代表が退くのは当然としても、後任候補が、かつて公約を破って増税し、原発を再稼働させた野田元首相との報道に能面。もう、いい。勝手に滅びれ。
もちろんパーフェクトな政党はなく、世の中を良くしようと頑張っている人ならみんな応援したい。でも、
「自己責任の弱肉強食でなく、助け合う」
「独裁ではなく民主的である」
「個の違いと自由を容認する」
「破壊や戦争ではなく平和に向かう」
という最低ラインさえ満たせていない人々ばかりでは、どうすればいいのと情けなく思う。
杉並区議選ドラフト会議、私も試しに入力してみた。
夫婦別姓に賛成。
統一教会への解散命令に賛成。
原発再稼働に反対。
インボイスに反対。
それだけで、ごそーっと絞り込みされた。
画面上に残った候補はほぼ全員が当選していた。
なるほど。
私たちは、知るべきことを知らされていないんだなと思う。
私の街では、無所属で立候補して、実は自民党という人も何人も当選していた。
せめてそういうのやめてほしい。