みずうみ2023

暮らしの中で出会った言葉や考えの記録

腐敗しすぎ

昨晩も末っ子の夜泣き(っていうか夜怒り)で4時起き。

枕元を照らして「くらしのアナキズム」の続きを読んで、目からうろこがハラハラ剥がれ落ち中である。

それだけに、ふと目に入った国内の政治腐敗のニュースにかーっと怒りがこみ上げてしまう。

 

 

自民党の幹部が一人残らず裏金を受け取っていた、と。

裏金というだけでなく、脱税もやっていた、と。

組織的な裏金化による裏金の総額は、5億円を超える、と。

5億円はおそらく氷山の一角で、少なすぎる金額なのだろうということも容易に想像がつく。

 

自民党は、国民の税金から政党助成金をこれまでに4000億円以上受け取っている。

そもそも政党助成金は政治が金の問題で腐敗することを防ぐための制度なのに。

さらに現在、日本の国会議員の年収は、諸経費を入れると世界最高レベルの金額だ。

国民は30年全く給料が上がらない中、物価高に苦しんでいるのに。

彼らはそれだけ潤沢なお金を得ていてもなお、カルト宗教や経団連からも金をもらい、今では金をくれた人々対する利権をかませないことには、何ひとつ物事が動かない国になってしまった。

官房機密費をまるで小遣いのように好き放題使って、使途を明かさない。

その一部はメディアや言論文化人を買収するなどして、権力強化や世論操作に使われたことが明らかになっている。

 

今の与党はあまりにも腐敗しているし、控えめに言っても、国民の代表ではなく利権の手先でしかないし、生活者を苦しめ、害を及ぼす存在に成り果てている。

 

「権力があれば何をやっても罰されずに見逃される」ことが、第二次安倍政権下で既成事実化してからの、政治家の資質の低下は凄まじい。

ほとんどギャグみたいなこともいっぱい起こってきた。

一旦何をやっても許されるとなったら、人間ってここまで堕落するのだ。

この10年くらいの与党(と維新の)政治家たちはそのことを身をもって体現している人たち。

少なくとも、あんな偉そうで、開き直っていて、不正をしても失敗しても何の責任も取らずに居座り続けるような非常識で不愉快極まりない人は、わたしの身の周りにはいない。

 

自分たちにはとことん甘く、お金と権力に簡単になびき、国民に対しては福祉を削って増税をし、監視を強め、情報公開には応じず、説明責任も全く果たさず、意味不明な言い訳を繰り返している。

そういう人々が、国の権限を握っていることで、私たちの生活は坂道を転がり落ちるように悪化し続けている。

 

と、同時に、今起こっているメディア状況を額面通りに受け取ってはいけないと、自分の中のアラートが鳴っている。

ここからが本題。

 

メディアが一つのニュースで大騒ぎをしている時には、普通ではとても容認できないような国民にとって不利益の大きい何かがほとんど報じられることなく決められていくということが、この国では常態化している。

陰謀論とかではなく、単なる事実として。

 

ジャニーズの件でも明らかなように、政治と同じくらい今の主要メディアは癒着でがんじがらめになっている。

そんなメディアが急に正義の味方のように振る舞うことを、まずは疑わしく思うリテラシーを持つのは、これまで彼らの行いを踏まえればごく当たり前のことだと思う。

つまりそれは、このタイミングで自民党の裏金のニュースを盛大に報じることに許しを与えている存在があるということを意味する。

しばらく前の自民党女性部のフランス視察旅行が炎上した時もそうだったが、注意深くニュースを眺めていると、裏からせっせと薪をくべるようにして世論を燃え上がらせている存在が見え隠れする。

何年も前の失言などが急にニュース化したりするのは、いかにも不自然なサインのひとつ。

 

フランス旅行の時は、松川るい氏に人々の怒りが集まるような流れがどんどん醸成されていった。彼女を「罰して」人々がほどよくガス抜きができるように。

今回、ガス抜きのためのスケープゴートは、誰になるだろう。谷川弥一氏あたりか。

いずれにしても、今の政府は統一教会と癒着していた議員ひとり罰することができないくらいにガバナンスが崩壊しているのだから、不正議員を一掃できる可能性は低く、時期が来たらフェイドアウトしていく可能性が高いだろうと思う。

そんな見通ししか想像できないのはとても残念だし、検察には頑張って欲しいと思っているけれど。

結局ほとぼりが冷めた頃に全員不起訴とか、普通にあるのだろうなと思う。

今の日本は、これだけ政権支持率が下がっても、もう何も起こらないのだから。ちーん。

 

パーティ券で大騒ぎの中、今日の午後、大学人たちが激しく反対の声を上げている「国立大学法人法改正(改悪)法案」が強行採決されようとしている。

これほど問題の多い法案なのに、このことはほとんどメディアで報じられていない。

今のメディアでは、あえて報じられないことの方が重要なのだと、私は今ではそう考えるようになっている。

だから、今回は何がなんでもこの法案を強行してしまいたいのだろうと思われる。

 

この法案は「特定機密保護法」のように負の影響を広範囲に及ぼす法案だと予感している。

これが通ってしまったら、この国の言論の自由は、段階的に相当失われていくだろう。

今この国で、一定の影響力をもって良識を説き、権力を堂々批判するのは、もう一部の大学人くらいだから、彼らの口を塞いでしまえば、ますます与党の政治家たちはのびのび嘘を吐けるし、好き放題やれることだろう。

企業は、大学を企業にとって都合のいい人材教育や企業にとって儲かる研究を国の税金で担ってくれる、ていのいいアウトソーシング機関のようにますます扱うようになるだろう。

これから、公共財産を私企業が貪る、ショック・ドクトリンの図式が教育でも推し進められていく。

長期的視野を持たず、企業の短期的な金儲けに寄与することが優先され、基礎研究や人文学への投資を徹底して冷遇することによって、今後この国からはノーベル賞どころか、まともなイノベーションはほとんど生まれず、高い能力を持つ若者はどんどん国外に流出して、国はますます衰退していくだろう。

そのようにして大学は企業に食い散らかされ、もう取るものがなくなったらあっさり放り出されるのだろう。

 

大学だけに限らない。

このまま自民党が与党であり続けたら、権力者は焼き畑農業的にあらゆるジャンルの公的財産を私財に付け替え続け、この国は東欧の貧しい国みたいにどんどんなっていくだろう。

例えばルーマニアみたいな、政治家や高級官僚以外のほとんどの国民は貧しく、社会福祉は薄く、しかしもう誰も怒る元気もない国に。

東欧は、世界で最も自殺率の高いエリアでもある。

 

だから、私たち生活者は、力を合わせて今の与党と、(隠れ与党である)維新と国民民主をまずは追い出さなくてはいけない。

作り込まれた体制を切り崩すのがとても大変でも、野党が頼りなくても、まずやらなくちゃいけない。

暴動とか革命とかじゃなく、選挙で平和的に追い出さなくちゃいけない。

自民党政治は終わらせなくてはならない、本当に。

 

 

この先には、憲法改悪が目前に迫っている。

ルール違反や犯罪をした者たちが「自分たちに全権力を委任せよ」というルールを作ろうとしている。

そうなったら、公平な選挙も失われてしまう。

緊急事態条項は、ナチスドイツの全権委任法と同じ内容なのだから、全権委任法が「民主的な手続きを経て」成立した後のドイツに何が起こったかをみれば、これから起こることは相当想像がつく。

第二次大戦中の「治安維持法」を令和バージョンで復活させる。

それが今回目論まれている改憲の真の姿だと、私には見える。

人間て、何百万人死んでも学ばないし、すぐにいろんなことを忘れてしまう。愚かで怖い生き物だ。

 

改憲も、何か別のニュースで大騒ぎしている間に、どんどん進んでしまうだろう。

本当に毎回、うんざりするくらい同じやり口なのだ。

でも皆怒りに浮かれて卑近な目の前のことに夢中になってしまう。

そのことがとてもやるせない。

 

リーダーが決断して意思決定するだけであれば、それは民主主義とはほど遠い。

首長たちは弁舌によって人々を説得し、納得させようとする。

つまり決断を下すのではなく、人々の同意を得ることがリーダーの仕事になる。

それは、皆が同意できる状況を作れなければ、集団としてのまとまりを維持できなくなるからだ。

レヴィ=ストロースは「同意」こそが権力の源であると同時に、その権力を制限するものだと言った。

それは明らかに民主主義の理念そのものだ。

本来なら、国民が納得できる言葉を持たず、同意を得るどころか、発言するたびに失望させるような者に政治家の資格などない。(「くらしのアナキズム」松村圭一郎著 より引用)

 

職責を果たさないリーダーも、記者会見で人を見下すような態度をとる政治家も、偉くないどころか、本来的には異様な、倒錯的な存在だ。

それを超えて偉いとか尊敬されるべきだと思わせる仕組みがあるとしたら、それこそが民主主義を機能不全に陥らせている国家の強制装置だ。(同著より引用)

 

Enough is enough、だよもう本当に。