みずうみ2023

暮らしの中で出会った言葉や考えの記録

なんという幕開け

昨日は、義実家にてお正月の集まり。

おせちとお雑煮を食べてから、みんなで神社にお参りに行った。

夫の弟のパートナーさんと、楽しく喋れたのが嬉しかったな。

いつも来るか来ないか五分五分だから。

なんか、喋りたそうな感じでずずずっと寄ってきてくれる感じであった。

彼女は、マンガやアニメといったオタク文化が大好きな人で、ゲーム実況のyoutuberをやっている。年齢も一回り以上若い。

爪を伸ばしていつもきれいにジェルネイルをしている。

私はお店でネイルをしてもらったことがない。

で、私は会話の糸口を見つけるのに苦心してしまうことがあったのだけど、私も立派なおばちゃんになり、女やってりゃ誰しもあるあるなことでゆるく盛り上がれる感じにもなった。

 

私の長年のコンプレックスの一つは「世間話が超苦手」なので、何気ない世間話を誰かと楽しくできたというのは、自分にとって地味に達成感の大きい出来事なのである。

ヨガで通っているジムで、他の女性たちのオープンな可愛らしい会話を、いつも羨望のまなざしでうかがい見ているものの、いざ顔を覚えられて話しかけられようものなら、緊張と負担感がはんぱないので、いつもそっと気配を消している。

でも、内心うらやましい。

重いこと一つもなく、軽やかにお互いを明るく励ましあえる雑談力が欲しいなあ。

 

 

神社から帰って、サッカーの天皇杯をなんとなく眺めていたら、緊急地震速報

震度5強、大津波警報。第一報では、それ以上のインフォメーションはない。

元旦からなんてことだろう、石川は災害が多い受難の都市。雪も降っていてきっと大変に違いない。

でも、災害列島に生きる私たちは、「震度5強」はそこまで致命的ではないと思うくらいには、災害に対して感覚が麻痺している。

なんだかんだ、テロップが張り付いたままのテレビ画面でサッカー観戦をし続けた。

 

帰りの車で気が抜けた私は、どんどん寒気がひどくなって、喉の奥が痛くて唾がうまく飲み込めない。

帰ってすぐに熱いお風呂に飛び込んだものの、体の表面がひよひよして痛い。

ここを大事に過ごさないと大変なことになると経験上分かっているので、早々に末っ子の世話を家人に任せて寝室へ引っ込むことに。

 

二階に上がりぎわ、地上波のNHKを点けると、震度が実は7で町がごうごうと炎に包まれている映像を見て、衝撃で言葉も出なかった。

よれよれに弱っているときに見たので、泣きたくなったし、これ以上見てはまずいと思い、逃げるように寝室に引き上げた。

 

 

一日汗だくで湯たんぽを抱きながら寝て、ようやく起き上がれるようになった。

全く、なんて幕開けだろう。

「雪崩のような終わりの始まりの一年になるのではないか」という怖れを裏付けるような出来事が、元旦早々から起こってしまうなんて。

災害の第一次情報の次には、この国の政治の誤りのせいで、人々がさまざまなリスクに晒されている現実が次々可視化されている。

 

何よりもまず原発

日本には今54基もの原発があって、再稼働されている原発のほとんどは日本海沿岸に集中している。

政府は、昨年5月の「GX脱炭素電源法案」によって、規制緩和して60年間も原発を運転できるように法律を変えてしまった。

案の定、本当に案の定、「原発に異常なし」という公式発表の後に、実は志賀原発の変圧器から出火があった(現在は鎮火済)が報じられている。

官房長官は、原因は不明、と言う。

これが何を意味するかというと「地震によって原発が被災した」とは彼らは言わない、ということだ。

かように、この国はいつだって原発に関して普通に嘘をつく、とても信頼はできない。

不幸中の幸いは、今回大きな被害のあった珠洲で、長年の市民運動によって、原発の建設を中止させていたということ。

原爆被災国であり、毎年のように地震津波が頻発する日本で、原発を無理やり稼働するのは、あまりにリスクが高すぎる。やっぱりありえないって。

 

政府は、軍拡の一方、防災予算を安倍政権以降、1/4以下にまで激減させており、極寒の中、相変わらず劣悪なダンボール仕切りの雑魚寝避難所しか用意ができていない。

万博やめて被災地救済を、そして性犯罪への注意喚起のツイートを幾つも見かける。

 

東京に自宅のあるセクハラや汚職疑惑の元プロレスラー石川県知事や、首相の残念すぎる指揮力。

ツイッターは、イーロン・マスクに買収されて以降、情報がフィルタリングのために時系列にあがらなくなったので、災害時のインフラとしての機能をかなり失っている。

 

自民党の大規模汚職松本人志の性犯罪告発、そしてこの震災がとどめのように皆の心を釘付けにする裏で、あの危険すぎる自民党改憲案が発議されようとしているし、今回の災害も例によってショック・ドクトリンに回収されていくのだろう。

犯罪を犯している議員たちの手によって、彼らに全権を委任する「緊急事態条項」を与えてしまったら、選挙はきっとすぐに行われなくなるし、この国は、ネポティズムの蔓延する希望のない独裁国家にどんどんなり下がっていくだろう。

国民投票は、有権者の半数の賛成が必要と思っている人も多いが、実際には投票者の半数で可決になるので、現在のような政治に対する無関心な低投票率の社会の場合、組織票や大金をかけてプロパガンダ広告を大々的に打つ者が圧倒的に有利になる。

だから、憲法は一旦発議されれば、改悪されてしまう可能性が極めて高い。

この国の民主主義は、今とても危機的な状況にある。

 

年末の忘年会や対話の場で、「中国に攻められる」「難民と偽った移民に乗っ取られる」という意見がその場にいる人からふっと口をついて出るようなシーンが複数あって、すごくびっくりしたり、ただしんみりと絶句していた。

 

私はやっぱり違うと思う。

そういうリスクもあるのだろうが、敵は外側だけにいるのではない。

私たちの暮らしを壊し、奪う者はむしろこの国の内側にいる。

与党政治家たちが買収されて、この国の政策を都合よく変え、公共資産や国民の税金をグローバル企業に売り飛ばし続けている。

隣国に戦争を仕掛けられるより、過剰な搾取と圧政によって、人々の暮らしが焼け野原になる可能性の方が、ずっと高いように思える。

だって今現在進行形で、増税や、情報統制や、黒塗りや、中抜きや、福祉削減や、差別容認など、いろんなことが目の前で起こり続けているじゃないか。

それは、高い可能性とかいうより、すでに現実として起こっていることじゃないか

 

99.9%を排除している難民や、経済をはじめとしてあらゆるジャンルで深い共存関係にある中国が私たちを攻め滅ぼすより、与党政治家の存在の方が余程危険だと私は思う。

そんな私の意見も偏っていると言われればそうなんだろう。

人々の政治的意見が、ますます分断を深めていることを実感した昨年の暮れでもあった。

 

はー新年早々吐き出すみたいに暗い話をしてしまった。

何を信じればいいのか。

何に騙されてはならぬのか。

折々考えさせられることになる2024年になりそうだ。