2022年イギリス・アメリカ合作/原題:Empire of Light/監督:サム・メンデス/115分/2023年2月23日〜日本公開
こんなに涙が止まらない映画を見たのは、久しぶり。
この物語を彩る人々の優しさ、人生の悲しさを抱きしめたからこその控えめで深い思いやりに溢れる優しさたちが、胸をうって、言葉を失った。
全ての要素が調和していて、美しすぎる。
素晴らしく繊細で、静謐で、端正。
オリヴィア・コールマンが、愛おしくてたまらなかった。最高の俳優だと思う。
この10年、大作ばかりを手がけてきたサム・メンデスだったけど、ここにきてあの「アメリカン・ビューティー」を超えるほどの作品を送り出してくれるとは、あまりに嬉しい予想外で、今もまだ胸がいっぱい。
この映画の持つ品格、思慮深さ、率直さ全てが、今の時代のアンチテーゼとなっている。
あらゆる意味で一流とは何かを見せつけられたという気持ち。
何よりまだ生きていきたいって思わせてくれた。
人間世界の夢を見せてくれた。
ありがとう、映画よありがとう、としか言いようがない。