7月25日、国会が閉幕した。
2月18日からの158日間。
この5ヶ月あまりに起こった出来事の数々を振り返って、改めて衝撃を感じている。
備忘録として、わたしたちが今置かれている状況を整理して置いておく。
自民党が全議席の2/3を占め、望む全ての法案が可決できる状況の中で、政府が提出した64法案は一つ残らず、つまり100%成立した。
政府が提出した法案の中に、円安・物価高に苦しむ国民生活を直接救うための法案はひとつもなく、選挙時には「悲願」と言って盛んにアピールしていた、たった数年限定の消費減減税さえも、最低賃金の引き上げ目標も反故にされた。
一方で、選挙時には全く話題にされなかった危険極まりない法律が、まともな議論なく、立法根拠すら曖昧な状態で、怒涛のように、日替わりで強引に可決されていった。
今の政府にとって、国民は搾取の対象でしかない。
彼らが「奉仕、貢献する対象」は明らかに別にある。
今国会の与党政治は、第一次トランプ政権でスティーブ・バノンが用いたFlood the zone(洪水作戦)そのものだった。
あえて国家を根本的に変えてしまうレベルのとんでもない悪法や政治決定を立て続けに出し続ける。
本当は一つでも政権を左右するほどの重大な問題を、日替わりで次々畳みかけ続ける。
そうすると、メディアも世論もとてもフォローしきれない。
次々に新しいニュースを追わざるを得ず、重大な問題がいくつも検証もないまま放置される。
そうして、人々がじっくり考えたり、調べたりする時間を意図的に奪う。
狂った状況が続き、感覚は次第に麻痺してくる。
そもそも日本の主要メディアが今起こっていることをまともに報じなくなっているため、積極的に情報を取る人でなければ、今何が起こっているかをろくに知ることができないメディア状況に我々は置かれている。
そして本来、もっとも緊急的で重要なはずの経済対策や長期な社会福祉の課題などは、ショッキングな法案や政治決定の影に隠れてしまい、ないがしろにされてしまう。
のみならず、戦後の日本社会の民主主義の最後の砦を、高市政権はいくつも破壊した。
それは、まさかと呆気に取られるほどの思い切った、なりふり構わぬ破壊ぶりだった。
戦犯は自民党、維新だけではない。
法案の可決に際しては、参議院で過半数を持たない与党に、どこかしらの野党が必ず手を貸して可決させていくさまも絶望的なものがあった。
参政党や日本保守党のような分かりやすく右傾的な党だけでなく、国民民主党、立憲、中道、チームみらいが、幾つもの危険で人権や人々の暮らしを悪化させる悪法にしれっと賛成していた。
「付帯決議」という言い訳をしたり、都合のいい時だけ野党のふりをして正しそうなことを言っている点で、今の野党は詐欺的だ。
実質的には今野党は共産党、れいわ、社民だけで、あまりに数が少なく、抵抗勢力としてはあまりに弱い。
つまり、700人以上の国会議員のうち、アメリカや経済界や宗教団体ではなく、国民のための選択をしてくれる議員は、現在20人足らずしかいないということになる。
他の野党は結局肝心なところで支援されているステイクホルダー(アメリカ、経済界、宗教団体)のための選択をし、何度でも国民を裏切るので、共産党、れいわ、社民の3党をなんとか増やしていかないと、もうどうしようもない厳しい状況になっている。
そして、国会が閉会されたタイミングで、急に高市首相へのバッシングが公然と主要メディアを通じて行われるようになっているさまにもひたすらげんなりしている。
彼女を旗印に散々やりたい放題やり尽くし終えたら、全ての責任と悪評判を彼女だけに集中させて、いざとなれば彼女を更迭することで自民党を自浄したかのように見せようとする下準備をしているみたいだ。
どこかのタイミングでネガティブなものをまるっと高市氏にかぶせて、用済みにして、また顔を付け替えて延命するつもりなのだろう。
しっかりとリテラシーを持って政治に関心を向けない限り、こうして何度でも騙される。
今国会で雪崩のように決まっていった本当にろくでもない法案は、今思い出せる特に危険な法案だけでもこれだけある。
5類の撤廃、スパイ防止法、国家情報会議設置法案、国旗損壊罪、皇室典範、国民投票法、個人情報保護法、副首都構想、健康保険法、食糧法、電気事業法、所得税法、再審法。
これらの法律を政府は「改正」したと言う。
改正なんかであるものか。
例えば、「個人情報保護法改正」とは、これまで守られてきた個人情報の保護をやめて、あらゆる個人データを本人の承諾なしに民間企業(しかも海外企業にも)に横流しすることを「合法」としたことを意味する。
多くの国で危険視されて、遠ざけられている国民監視システム企業パランティアのピーター・ティールと日本政府はパートナー契約を結んでいる。
改正ではなく、個人情報保護法「廃止」と言ったほうがよほど正確だ。
「国旗損壊罪」は、ヘイトスピーチは「言論の自由があるから」として罪としない一方で、国旗に敬意をはらっていないという権力側の主観というか気分によって、人々の言論の自由を平気で制限して「罪」として刑事罰を科すことを合法とする、あまりに手前勝手で言論抑圧的な悪法。
国民投票法は、金次第で結果を左右できる投票法に変えた上で、改憲に臨もうとしている。
スパイ防止法国家情報局の初代トップは、カルト宗教統一教会と深い関わりを持つ人物。
何度も住民投票で否決されて維新が「もうやらない」と言っていたはずの大阪都構想を何度でも蒸し返して、数の力で強引に決めてしまった「副首都構想」。
ひどいことがあまりに多すぎて書ききれない。
めちゃくちゃで最悪としか言いようがない。
このようにして、高市政権はこの5ヶ月という短い期間で、著しく正当性に欠けた、明らかな憲法違反も含まれる法律を、強引に可決してきた。
国力が低下する中で、中国との緊張関係をいたずらに煽り、威厳なくアメリカのポチぶりを隠そうともせず、国際社会からの信頼と尊敬を大きく損なった。
円は40年前の水準にまで下がった。
軍事化が急速に進み、戦争不安が増大した。
人々の暮らしは少しも楽にならないばかりか、増税と社会保険料の更なる搾取で、今後更に苦しい状況が加速されることが確定的になった。
これほどのことが起こっていても、弾劾することができないなんて、この政治の一体どこが「民主主義」なんだろう。
なんて欠陥のあるシステムなんだろう。
国民の収入の半分を税金として奪いながら国家の税収は過去最高を更新、国会議員報酬は世界一高額、しかし税金を収めた国民にはろくに還元されず、大半を軍事や大企業のために注ぎ込む。
(日本の国民の税負担率は北欧と同レベルだが、日本の高齢者の国民年金は月額6万円から更に経費が差し引かれる。スウェーデンの高齢者の年金は月額68万円。
ちなみにスウェーデンの物価は日本の1.5〜2倍、年金額は11倍差。
いかに日本では税金が国民に還元されていないかが分かる)
5ヶ月間で、この国の民主主義は徹底的に破壊され、政治は相当ひどい状況に変えられてしまった。
どう希望を繋げばいいのかと途方に暮れるほど、徹底的に大胆に壊された。
今国会で決められてしまった悪法のために、これから私たちはいくつもの人権侵害を受け入れ、生活経済の更なる悪化を引き受けていかなくてはならない。
気候変動が不可逆的に進む中で、物資不足や物価高が今後加速することは明らかで、しかし賃金は上がらない。
高額療養費制度も壊され、生存の安心も奪われた。
今後は、リアルに生きることが非常に困難な人が続出していくと思う。
先日知人に教えてもらって驚いたことがある。
夫の実家からほど近い鎌倉の三菱電機がいつの間にか、武器工場になっていた。
もちろん、住民には何の説明もなかった。
政府が武器輸出の規制を全面撤廃したのは4月下旬のことだけど、6月には戦闘機、戦艦、対空ミサイル、レーダーといった「防衛装備品」要するに武器製造のための技術職の求人が企業HPで公開されている。
横須賀・追浜の日産工場跡地も、確定ではないが、軍事ドローン(つまり殺人用兵器)の拠点になる話がやはり6月に持ち上がっている。
身近なところだけでも、早々にこうした変化が起こっている。日本全国で見たらどれほど色々なことが起こっているのだろう。
政治は、こんなにもすごいスピードで人々の生活をどんどん変えていくのだなあと実感する。
今回の国会は、これまでで一番最低最悪のものだった。圧倒的に下品かつ最悪だった。
久々にデモにも何度も足を運ぶことになった。
メディアは一切報じないが、渋谷では毎日たくさんの人、それも若い人たちがデモしているさまがネットで流れてくる。
渋谷は、NHKから目と鼻の先。彼らは分かっていて無視し続けてる。
こんなに醜い大人たちの姿を日々見せて、若い世代、子どもたちには本当に申し訳なく思う。
けしてあきらめないけど、今日のところはこの現状をストレートにつらいと感じて、飲んで、シャワーを浴びて、もう寝る。