みずうみ2023

暮らしの中で出会った言葉や考えの記録

夏祭り

週末は、二夜続けて海浜公園の夏祭りだった。土曜日は家族と、日曜日は友だちと。

日が暮れると、海の近くの芝生の上は、本当に気持ちの良い風が吹き抜けている。

人がたくさんいても、風があんまり爽やかで、クーラーなんてひとつも要らない。

 

だんだん空がピンク色になって、月が明るく輝きだして、やがて世界が濃紺になっていく。

末っ子は、初めての大きな夏祭りの高揚した雰囲気ですっかり楽しくなり、辺りを無意味にくるくると走り回っていた。目で追っていると私の目が回った。

提灯がずらりと並ぶ櫓は壮観で、4年ぶりのお祭りに繰り出した人たちが回遊魚みたいに見よう見まねで楽しそうに盆踊りをしている。

津軽三味線と和太鼓の生演奏の風情のあること。

一曲終わるごとに拍手と歓声が上がった。

 

それらをぼへーと眺めながら、友だちの絶え間ない楽しいおしゃべりを聞きながら、ちんたらお酒を飲んでいると、まこと至福で、なんの不足もない。

ひととき、世界の複雑さや暴力性や不安や孤独が、ひらひらとほどけていく。

もう毎日、夕飯はこの公園の芝生の上で食べればいいのじゃないだろうかと思った。