みずうみ2023

暮らしの中でふと心が動いたことについて書いています

空虚な人

先日、G20会合に向かう高市氏の個人アカウントのツイートを見て、自分の目を疑った。

クリーニングから戻ってきた服の中から、「安物に見えない服」「なめられない服」を選ぶことに数時間を費やしました。

(中略)
外交交渉でマウント取れる服、無理をしてでも買わなくてはいかんかもなぁ。

高市早苗@takaichi_sanaeのTwitter 2025/11/21のツイートより抜粋)

首相個人のアカウントからの発信であり、全世界から自由に見ることができる。

 

11/7に台湾有事に関する失言があり、即座に中国から猛烈な抗議があり、それでも発言撤回はせず謝罪もしないと首相は表明している。

中国からは段階的な制裁が発動され、外交のみならず文化や観光をはじめとした経済分野においても大きな損害や悪影響が既に出ている。

 

どんな時であっても、こんな低次元な内容を首相が書くのは相当恥ずかしいことだと思うが、とりわけ「この緊迫した状況の中で」、こんなことを世界に向けて発信できてしまうって、一体・・・

周囲の人は、誰も注意できなかったのだろうか。

周囲に常識的な判断ができるブレーンは、いないのだろうか。

個人の資質や外交センスのなさを超えて、今政治の中枢にいる人々には、客観的状況が見えているか不安に感じる。

 

台湾有事をめぐる一連の言動は、ごくシンプルに「言わなくてもいいことをわざわざ言った、それも基本的なレベルの国政に関する知識があればけして言わないであろう不見識なことを」ということでしかない。

政治的な立場とか、右とか左とか、どんな思想とか関係ない。

余計で、愚かなことを言った、それに尽きる。

 

彼女がやったこととは、不必要な失言、それも国の安全保障を揺るがすような深刻な失言をして、更にそれを改めも謝罪もしないことで隣国間の軍事的緊張と悪化を招き、多くの無駄なコストや悪影響を生み、今も国民の安全を脅かし続けているということだ。

権力に忖度したメディアが何をどう言おうが、あるいはあえて語らずに他のことに目を逸らさせようが、今回の彼女の行動を事実に即して言うと、全部落ち度だけで、それもかなり重大な落ち度で、物理的に良かったことはひとつもない。

彼女の支持層である極右排外主義者にとって「中国に対して一歩も引かず言ってやった!」というルサンチマンを満足させる以外には。

 

もちろん、人にはそれぞれの信念がある。

どんな思想を持っていようと、基本的にはその人の自由だと思う。

けれど、国の総意でもない極端な考えを独断で表明して、国益を損なっても改める気がないのなら、少なくとも国の代表という立場からは去ってもらうのが筋だと思う。

言いたいことは色々あるが、高市氏という人の軽率で過ちを認められない姿勢、身内への倫理観は甘く、国民生活に対する関心が薄く、自らの支持者に向けた内向きなファンサ的言動は、あやうすぎる。

結果として、この短期間だけでも『権力者や軍事を優先して、平和でなく戦争に向かい、国民生活は軽視する政治』が急速に進行している。

 

1ヶ月だけで、こうした出来事があった。

・閣僚に裏金議員7名、統一教会と関わりのある議員12名(「南京虐殺はなかった」という主張を支持する歴史否認主義者が文科大臣)

NHK党と会派を組む(後に立花孝志の逮捕を受けて、事実を否定)

・維新と連立。連立文書には「原子力潜水艦保有」「武器開発・製造を軍隊直属の国営の軍需工場で行う」「武器輸出の全面解禁」「安保三文書の前倒し改定」が明記。

※安保三文書とは、「他国に攻撃を仕掛けることをせず、攻撃を受けた時のみ自国を防衛する」という戦後日本の基本方針を覆して、武力を増強し、他国への先制攻撃を可能にするための方針を盛り込んだ文書のこと。

アメリカに膨大な額の国有財産を献上した上に、トランプをノーベル平和賞に推薦

・労働時間の限度引き上げを指示

・日本製の武器輸出拡大を検討

・石破政権で決まった国内米増産を再び減産に。代わりにアメリカ米を75%増で輸入を決定

・議員削減を根拠なく決定(組織票で勝てる小選挙区は削減せず、民意が反映されやすい比例のみ削減)

・石破政権下で解明が前進してきた森友学園問題の調査から、第三者を締め出して事実上の封印をはかる

非核三原則核兵器保有せず、製造せず、持ち込ませない)の見直しを表明

スパイ防止法(日本政府にとって国家機密を収集したり、リークしたりする行為を犯罪として処罰するための法律)の制定に前のめり

・鹿を蹴っている外国人がいるというゼノフォビアを煽る発言(事実でないことを追求され、結局「自分が見た」という話にした)

・レジのせいで消費税減税できないと答弁

・石破政権下で進んできた一律最低賃金の引き上げの事実上の撤廃

・公約であった現金給付をの約束不履行

・高額療養費制度(国民が支払う医療費の自己負担額に上限を設け、一定以上の医療費の負担は国が負う制度)の見直しに言及

・国旗損壊法(日の丸を意図的に汚したり壊したりした者を罰する法律)の実現に向け検討を表明

そして今、「台湾での有事は、日本が中国に先制攻撃できる条件にあたる」という意味合いの発言をして、中国を激怒させている。(アメリカには「日本は同盟国だが友人ではない」と早々に切り捨てられている)

 

素朴な疑問なのだけど、高市氏を支持する人って、一体どの辺りを支持しているんだろう。

皮肉でなく、私には理由が分からなすぎるので、純粋に知りたい。

 

2025/9/24、石破前首相は、国連での演説で以下のように述べている。

議長、アジアフリカ諸国が初めて結集して世界平和と協力の推進を訴えたバンドン会議から70年が経ちました。

これは我が日本が終戦後、初めて参加した本格的な国際会議でありました。

アジアの人々は戦後、日本を受け入れるにあたって寛容の精神を示してくださいました。

そこには、はかりしれないほどの葛藤があったはずであります。

こうした寛容の精神に支えられて、不戦の誓いのもと、我が国は世界の恒久平和の実現のため力を尽くしてきました。

周辺国の寛容に支えられて、今の日本の繁栄がある。

東南アジアの国々が、戦争で多くの加害行為をしてきた日本を受け入れるにあたっては、計り知れないほどの葛藤があったはずだ。

その認識のもとに、韓国や中国という国名を挙げて、民主主義と平和のために共に尽力していくのだと、石破氏は国連で語った。

 

そのたった2ヶ月後、中国は国連総長宛の書簡で、国際社会における中国の立場を改めて主張し、日本の好戦的な発言を強く非難し、高市発言の撤回を求める事になった。

どちらが国の代表として外交的に適切な振る舞いをしているかは、明らかだと思う。

 

11/26追記

11/24、台湾外交部は、日本が台湾を防衛すると解釈するのは難しいという判断を示す

11/25、習近平トランプ大統領と電話会談で、戦後秩序の基盤である台湾問題は、戦勝国である中国とアメリカが協力して処理しようと提案、トランプは中国を尊重すると表明したと、中国国営メディア、米BBCが報じる

国内では高市すごいとか、解釈を歪めた擁護的な報道が多く見られるが、実際は少しもすごくないという現実。

 

高市政権になって、国内メディアの報道に危うさを感じる。

鵜呑みにせず、注意深く接するべき。

個人的には、今の国内メディアは、戦前の過ちを繰り返しているレベルだと感じる。

 

今はまだ、権力を批判して人が逮捕されることはない。

でも、今の政権は、明白に権力批判を罰することのできる国に変えたいと意図している。スパイ防止法、国旗損壊法。

そうさせないためにも、一人ひとりがそれぞれの場所で声をあげることが、王様は裸だと言うことが、今、とても大事なフェーズにあると思っている。

戦争や、言論の自由を脅かされることだけは、どうしても許されないことだと思っている。

 

外はきりりと寒く、明るく晴れている。

さ、これからヨガに行って、今日も元気に過ごそう。