あと一息で病気が抜けていく、という感覚がある。今日一日、安静に過ごそう。
年末、身動きが取れず配信を見るくらいしかないので、U-NEXTに加入してみた。月額お高めだが、見たかった古い映画などが充実している。
もう、人生も残り少ないので、今年からは新しい作品ばかりを熱心に見るのではなく、これまで見た素晴らしい映画をもう一度見返すこともしていこうと思ってる。
年末年始見て良かった作品。(古い作品編)
「ナイト・オン・ザ・プラネット」
1992年アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、日本合作/原題:Night on Earth/監督:ジム・ジャームッシュ/129分
オールタイムベストのひとつを娘氏にも見せたくて。
この作品は、旅しているような気持ちを味わえるから、私にとっては一種のロードムービー。
「旅の気持ち」とは、心細く、自由で広々としていて、どんな奇妙なことでも起こりうる、という感覚のこと。
若い頃は、LAのウィノナ・ライダーとジーナ・ローランズのパート、NYのヘルメットとヨーヨーのパートが、楽しくて可愛らしくて何しろお気に入りだったけれど、今回、パリやヘルシンキのエピソードも、なんかすごく沁みて良くって、自分も年を取ったんだなあと感じた。
そして、ヘルシンキ編のタクシーの運転手はアキで、酔っ払いはミカなのだった。
初めて見た頃は、カウリスマキ兄弟のことなんて何も知らずに見ていた。
「恋人たちの予感」
1989年アメリカ/原題:When Harry Met Sally.../監督:ロブ・ライナー/96分
年に一回くらい無性に見たくなる。これぞラブコメディの金字塔みたいな映画だけれど、やっぱり大好き。ラストの愛の告白も、何度見ても最高だなあ。
この頃のメグ・ライアンは、なーんて可愛いんだろう。
それにしても、元恋人が結婚して、ショックでハリーを家に呼んだ時に、「(結婚しないままに)40歳になっちゃう〜〜〜〜」と大泣きするシーンが、配信でまるっとカットされていてびっくりした。
すごく重要なシーンなのに、なんでだろう。こういうの良くないと思う。
「浮き雲」
1996年フィンランド/原題:Kauas pilvet karkaavat/監督:アキ・カウリスマキ/96分
大好きなカウリスマキの古い作品も、まとめて見直そうと思っている。
この映画の中に漂っている雰囲気や世相って、今の日本に酷似している。
シャレにならない、というか全く他人事ではなく、友よ、という感じなのである。
このユーモラスさに救われつつも、苦笑いしかない。
作品では、主人公がついに雇われる生き方を止め、自分で商売を立ち上げることで、人生の活路が開かれていくのだけど、主に資金面での最初の一歩の難しさと、でもそこを越えれば、それまでこつこつ生きてきたこと、共にやってきた仲間が全部大きな価値となって返ってくるという流れが、とても示唆的。