みずうみ2023

暮らしの中で出会った言葉や考えの記録

世界を言祝ぐ言葉を紡ぐ

みんな病気で動けなかったので、家事をすることもできず、本当に久しぶりにぼへーっと途中から最後まで紅白歌合戦を見る大晦日になった。

「このがんばってなんとか盛り上げようとしてなかなか盛り上がれない感じが一周回って年末感ある」と娘氏。

個人的には、けん玉チャレンジの三山ひろしはかなりの年末感を感じさせてくれたと思う。あの最後の決め顔の福々しさと安定感は縁起物レベルだった。

藤井風の規格外感。一瞬にしてワールドに連れていかれる。スターの世界は気苦労が多そうだけど、これからも軽やかな存在であって欲しい。

 

そして今年も星野源が良かった。朗らかに、淡々と、自分の持ち場を全うし、丁寧に歌を届けようという姿勢。

衰えぬ才能の持ち主だなと感心するばかりだけど、「喜劇」も名曲だなあ。リラックスしたメロウさのある明るみ。昨年何度もよく聴いた。

最高にベタな紅白という場所から、この歌詞に歌を乗せて全国津々浦々のお茶の間に届けることの素敵さにじーんと胸がしびれた。

ある種の人々が言葉を軽んじ、壊し、台無しにする一方で、一見平凡にも思える易しい言葉を、詩と歌の力で輝かせる人がいる。

閉じて鈍くなっている心をもこじ開ける魅力を持つ言葉の力で、世界を言祝ぐ、そういう言葉を自分も紡いでいこう。源さんを見習って。

というのを今年の目標の一つにしようと考えた2022年の大晦日であった。

言霊ってやはり確かにあるし、言葉は鏡だ。発した言葉は自分自身に深く影響を及ぼす。

言葉は誰もが使える魔法であり呪いなんだとしたら、どうせなら善き魔法を使っていきたい。

 

争い合って壊れかかったこのお茶目な星で 生まれ落ちた日からよそ者

涙枯れ果てた 帰りゆく場所は夢の中

こぼれ落ちた先で出会った ただ秘密を抱え普通のふりをしたあなたと

探し諦めた 私の居場所は作るものだった

 

あの日交わした 血に勝るもの 心からの契約を

手を繋ぎ帰ろうか 今日は何食べようか

「こんなことがあった」って君と話したかったんだ

いつの日も 君となら喜劇よ

踊る軋むベッドで 笑い転げたままで ふざけた生活は続くさ

 

劣ってると言われ育った このいかれた星で 普通のふりをして気づいた

誰が決めつけた 私の光はただ此処にあった 

あの日ほどけた淡い呪いに心からのさよならを

 

顔上げて帰ろうか 咲き誇る花々 

「こんな綺麗なんだ」って君と話したかったんだ

どんな日も 君といる奇跡を 命繋ぐキッチンで伝えきれないままで 

ふざけた生活は続く

 

永遠を探そうか できるだけ暮らそうか 

どんなことがあったって君と話したかったんだ 

いつまでも君となら喜劇よ

分かち合えた日々に 笑い転げた先に ふざけた生活は続くさ

(「喜劇」作詞・作曲:星野源