みずうみ2023

暮らしの中で出会った言葉や考えの記録

2023-01-01から1年間の記事一覧

ジャニーズ事件が浮き彫りにしたもの②

件のBBCのドキュメンタリー「J-POPの捕食者:秘められたスキャンダル」の主旨は、ジャニー喜多川が本当に子供を性虐待していたのかどうか、ではない。 それは自明のこととしてその上で、記者の関心は一貫している。 この「公然の秘密」について、被害者をは…

ジャニーズ事件が浮き彫りにしたこと①

実の妹とそのひとり娘の姪っ子(大学生)が、年季の入ったジャニオタである。 春に帰省して会った時には、例の英BBCがジャニー喜多川による性犯罪を告発したドキュメンタリーがすでに放映され、世間的に物議を醸していたので、雑談の折にこのことをどう思っ…

なんとか(生後1118日)

痺れる3連休の2日目である。 言葉などあらゆることがちょっと遅めの末っ子は、3歳過ぎて反抗期に突入した模様。 全部自分の思う通りにしないと気が済まない、しじゅう私にくっ付いて全部見ててもらわないと満足しない、注意を引くためにあらゆるものをひっく…

気が済むようにする(生後1111日)

台風が過ぎた後から日に日に気温が下がって、夏が終わった感。 湿度の高さはまだ続いていて日中はむんむんするが、朝晩は思わず笑顔になる爽やかさ。 きっと今年もすぐに秋が終わって冬になってしまうだろうから、この短い季節をよくよく味わおうと思う。 今…

「福田村事件」

2023年/監督:森達也/137分/2023年9月1日〜公開 記憶に残る後味の悪い映画は?と聞かれれば、ラース・フォン・トリアーの「ドッグヴィル」を挙げる。 もう20年前の作品だが、私はこの作品で、自分がどれだけ独りよがりな映画の見方をしているかを思い知ら…

「マスクガール」

また一週間が始まった。 今週も引き続き悩みながら、地に足つけてやっていこうと思う。 ここ数年なかったが、今年は季節の変わり目の喘息に悩まされそうな予感。 昨夜は横になると喉がひゅうひゅういって、苦しくて寝られず、諦めて起き上がって息が楽に、眠…

「あんなにあんなに」

ここ数日、暑い中にも空気に秋の気配が混じるようになっている。 夕方になると、蝉だけでなく、鈴のような秋の虫の声がするようになった。 日中はもくもくと入道雲が立ち上っているのだけど、夕暮れ時は空も涼しげでうっとりと緩む。 後ろの座席に末っ子を乗…

参った

Netflixの「ブラック・ミラー」というディストピアSFドラマを見ながら洗濯物を畳んでいたら、家の電話が鳴って、隣の部屋にいた夫氏がそれを取ってくれたな、と思いながらながら家事を続けていたんだけど、電話を切って出てきた夫氏の話を聞いて、びっくりし…

「バービー」

早朝、娘氏は奥会津へ向かった。これから5日間サマースクールに参加する。 事前に読み込まねばならぬ課題図書に手こずっていたが、なんとか課題提出に間に合ったよう。 学びを授けてくれるのは、哲学者、山伏、文化人類学者、禅僧といった人々。 学びたいと…

知的とは何か

我が家は常に2つか3つのサブスクを契約していて、そんな中で生まれ育った末っ子は常に無数のコンテンツに囲まれている。 YouTubeの子供向け動画も日々産み出され、どういうビジネスモデルになってるか分からぬが結構なハイスペックのクレイアニメーションや…

「ハートストッパー」

2022年〜イギリス/原題:HEARTSTOPPER /原作・脚本:アリス・オズマン/監督:ユーロス・リン/2シーズン16エピソード各話約30分 娘氏が可愛いオバケみたいなゆるキャラぽいイラストの見慣れないTシャツを着ていた。 かわいいと褒めたら、そのオバケが片手…

闘争の中にある希望、和を以って尊しと為す

前記事に関連して、希望について。 明け方、再び寝入った末っ子の隣で、映画監督ケン・ローチのエッセイを読んでいたら、はっとさせられる文章があった。 私たちの希望は、人々の正義と、搾取と圧政に対する抵抗の歴史に基づいています。 人々は闘争を通じて…

台風、お金、坂口恭平

台風が近づいているらしい。 不謹慎だが子供の頃から台風好きである。 嵐の予感を含んで空気がむんむんしているさま。 妖しい色の空をすごい勢いで流れていく雲。 全ての動きを止めてただ観念するしかないような雨風。 台風の目に入った時の真空のような静け…

今年の夏

暑さで完全にへばっている。外遊びがどうしてもしたい末っ子に付き合って、人気のない炎天下で短時間だけ遊ばせるも、見守っているだけで熱中症になりそうな週末だった。 末っ子は言葉がだいぶ使えるようになったが、言葉でコミュニケーションが取れたことを…

「さらば、わが愛 覇王別姫」

1993年中国・香港・台湾合作/原題:覇王別姫 Farewell My Concubine/監督:チェン・カイコー/172分/2023年7月28日〜4Kリマスター版公開 最後に観たのがいつだったのか思い出せないくらいだけれど、忘れっぽい自分が多くのシーンのビジュアルを克明に覚え…

夏祭り

週末は、二夜続けて海浜公園の夏祭りだった。土曜日は家族と、日曜日は友だちと。 日が暮れると、海の近くの芝生の上は、本当に気持ちの良い風が吹き抜けている。 人がたくさんいても、風があんまり爽やかで、クーラーなんてひとつも要らない。 だんだん空が…

心の自由、「覇王別姫」

夏風邪で咳がひどかったこともあって、昨日は予定を取りやめて、日がなキーボードをばちばち打って自分なりに了解しておきたい物事を一気にアウトプットしてしまった。 日頃から節操のない乱読だけれど、時々丸ごとばりばり貪り食べるみたいにして読む本があ…

性暴力についての覚書き⑦(なぜ性暴力はこれほど人を深く損なうのか)

長々書いてきたが、これで最後。 【なぜ性暴力は被害者にとって過酷なのか】 性行為は、互いに愛情があるのがもちろん望ましいが、互いの了解が一致していれば(そして必要に応じて正しく避妊していれば)、生き物としてごく自然な、日常的なスキンシップで…

性暴力についての覚書き⑥(なぜマジョリティはマイノリティを疎むのか)

ジャニー喜多川氏の性加害問題が巷で取り沙汰されてもう長い。被害を訴える7人が「ジャニーズ性加害問題当事者の会」を結成し、国連人権理事会の「ビジネスと人権」作業部会はこの7・8月での訪日を発表。聞き取り調査を行うそうだ。日本の、一芸能事務所の問…

性暴力についての覚書き⑤(性に対する偏見について)

既に日本中が知っている事をわざわざ世界に知らしめる必要があろうか。これが、旧ユーゴスラヴィアのセルビアやウクライナに侵攻したロシア兵による、非情な強姦致死であるとか、ミャンマーのロヒンギャ、チベット・ウイグルの女性が国軍に凌辱・強姦、乱暴…

性暴力についての覚書き④(家父長制下の性虐待、グルーミング)

その才能を見出し、育て、スターにしてくれたジャニー氏に対して、恩を仇で返すとはこのことではないか。 ジャニー氏は半世紀に渡って日本の芸能界を牽引し、スターを育て、その非凡な才覚で何億何千万という人々を楽しませ、夢中にさせてきた。昨今の流れは…

性暴力についての覚書き③(「責任を取る」とは)

代わってジュリー氏が謝罪も済ませているのに、これ以上何を望むのか。 【責任を取るとはどういうことか?】 そもそも、日本の性暴力・DV被害者の支援の方法は「間違っている」。 アメリカ、カナダをはじめとした国々での一連の基本対応は、まず加害者を逮捕…

性暴力についての覚書き②(支配とは何か、刑法改正)

本当に嫌な思いをしたのなら、その時なぜすぐに訴えない。 【支配とは何か】 性暴力被害者に「どうして抵抗や反論をしなかったのか?」「どうしてもっと早く逃げなかったのか?」と問う人がいる。 実際、刑法でも性暴力の立証条件に「抗拒不能」(加害者の暴…

性暴力についての覚書き①(社会構造が支える性暴力、若年者への性虐待の特徴)

物議を醸している一連のデヴィ夫人の発言。 一読してまともに言及する価値もないとは思う。ただ、彼女の意見があまりにも定型的な無知と偏見を露呈していること、構造的な差別意識を助長するロジックなので、この言説への反論はそのまま、「性なる家族」の復…

「〈性〉なる家族」

2019年春秋社/信田さよ子著 この本には、私が長年知りたかった幾つもの疑問の答えが、ストレートに分かりやすく書かれている。 それは、主にジェンダーや性犯罪にまつわる疑問。 重苦しい、読むのが辛い内容が多く含まれるも、長年の胸のつかえが取れるよう…

美味しい台湾飯に癒される

先週後半から末っ子がまたも病気していた。今回は感染症でなく夏風邪っぽい。 熱はなく食欲もあるが、寝起きにひどく咳き込み、目やにが出る。 三連休も基本病気対応だったけれど、合間に外で遊ばせたり、近所でやってたマルシェを見物したり過ごす。 身動き…

「君たちはどう生きるか」

日差しはそれほどきつくないが、毎日蒸す。 ついつい水分を摂りすぎて、トイレに行ってばっかりだ。 「君たちはどう生きるか」を見てきた。 近所のシネコンで一番大きいスクリーンの座席が、8割がた埋まっていた。 宮崎駿監督の新作としては10年ぶりで、事前…

ハレとケ

家を出る時、ご近所さんと顔を合わすと「あっついですねー!」とただただ言い合っているこの頃。化粧っ気のない私は近所を自転車で走り回るだけでもう真っ黒だ。ビーサンの鼻緒の形に日焼けの跡がついている。 寝室も一晩中エアコンをつけていないと寝苦しい…

開く

午前中は、前の保育園で仲良しだったN家と平塚の公園で待ち合わせ、水遊びをさくっとして、昼には解散。 帰りの車で寝始めた末っ子は、今もぐっすり寝ている。 先月は末っ子が感染症に立て続けにかかったので、会うのは久しぶり。 前回、大人4人+N家のベイビ…

初夏雑記

一昨日アップされた「となりの雑談」EP.25を聴いていたら、気の悪い場所に自ら引き寄せられてしまう人のことが、「バッド・バイブス・ハーモニー」という言葉で語られていた。おおシンクロニシティー。 バッドバイブスな場所で生まれ育ったゆえ、その対処法…